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台ヶ岳「箱根登山詳細図」踏査隊と歩く。

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箱根山と云う大雑把な括りで、噴火警戒レベルが引き上げられ、箱根の中央火口丘、神山周辺の登山道が立入禁止となって久しい。仮に中央火口丘が御嶽山のように大爆発となれば、強羅や仙石原などの周辺に在る観光地は壊滅状態になり、最早登山道などという瑣末な問題では済まない訳で、憂慮せざるを得ない未来ではある。果たして大涌谷は本当に大噴火するのか。懸念は尽きないのだけれど、大涌谷は、相変わらずの噴煙を吐き出しているだけである。

矢倉岳、鷹落場の「箱根登山詳細図」踏査に行った翌週、またもやMD、KR両氏と小田原駅で合流した。本日の目的地は台ヶ岳である。箱根外輪山の金時山辺りから中央火口丘を眺めれば、其の手前に独立して盛り上がっている溶岩ドームが、妙に目立って鎮座しているのに気付くが、其れが台ヶ岳である。仙石原の高原を前庭にして、堂々たる姿の山であるが、登山道は整備されていないので、勿論既存の登山地図にもルートは記載されてはいない。「箱根登山詳細図」に、台ヶ岳ルートを記載させる為に、調査すると云うのが今日の主題である。

2017/2/4
国有林前バス停(9:45)---廃林道から取り付き(10:10)---台ヶ岳(10:50)---国有林バス停(11:35)

小田原駅のバスターミナルに特設された販売所で、事前にMD氏から教えて戴いた、伊豆箱根鉄道の発行する「箱根バスフリー」と云う一日乗車券を購入しようと思うが、中国人と思しき女性グループが、フリー切符に就いての質問を連発していて、買うのか買わないのか仲間で議論をしているから、順番が廻ってこない。湖尻経由箱根園行きのバスがアイドリングを開始して、どうなるかと思ったが、無事購入して乗車した。中国人女性たちも結局は購入して乗車した。

後になっての話になるが、「箱根バスフリー」は、競合する箱根登山バスに乗車できないから、我々は宮ノ下で、帰路のバスに乗車するまで、随分待たされた。其れで、中国人の彼女達の、其の後の行程でも、いろいろ遭ったのではないかと推察するが、勿論其れは知る由もない。

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乗車率が其れ程でも無かったバスが、小涌園を過ぎて、早雲山駅に達すると、乗客が随分増えた。箱根ロープウェイの早雲山から大涌谷の区間が工事の為に運休しているからね、と、MD氏が説明する。上湯バス停に近づく頃、人いきれの車中に、硫黄臭が漂うようになった。其れで、活動中の中央火口丘の域内に来ているのだなと実感する。

大涌谷の北に在る、国有林前と云うバス停で下車する。此のバス停は、私の所持している、古書店で買い求めた「山と高原地図29 箱根 2001年度版」には「台ヶ岳バス停」と記されているが、現在は名称が変更されているようである。空気は冷たいが風の無い朝で、箱根山は快晴だった。バス停から上湯方面に少し戻ると、車止めの在る、廃れた林道跡が現われる。此処から、台ヶ岳への取り付き迄、次第に倒木が増えて、藪状になっていく道を歩いていった。

左手に広がる、台ヶ岳の南面の尾根を見上げながら、取り付き点を探す。先行するふたりが、GPSの表示を確認しながら、引き返してきた。標高800mくらいの山裾から、1044.5mの台ヶ岳に登るのは簡単そうに思えるが、歩き易そうな踏跡を見つけるのが難しい。私も、ロードメジャーを逆走させて、廃林道を引き返す。やがて、古びた赤テープが木に括られている、薄い踏跡を発見したので、其処から侵入した。

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背丈程にもなる笹薮を掻き分けて、地形図上ではなだらかな斜面を歩いている。見上げると落葉樹の枯木が青空に向かって林立している。徐々に東側に延びる尾根を目指していくと、明るい茶色の樹皮の木が立っている平坦地に達した。ヒメシャラの広場ですね、とMD氏が云った。

進路は、いよいよ台ヶ岳の頂点を目指すようになり、勾配を登っていく。笹薮の足元は、ロードメジャーを転がすには厳しい道程で、私は徐々に引き離されていく。藪が激化していき、ふたりが逡巡するように停滞しているところに追い着いた。植林の方が歩きやすいかも、と云う理由で、我々は傾斜の途上で、更に東側にトラバース移動し、転進した。植林と自然林の境界に達して、踏路は比較的明瞭になった。

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もう二度と藪漕ぎはやらないと誓ってたんだけどなあ。今日もクラシックスタイルのKR氏が呟く。南東から頂上を目指す尾根は、笹薮に囲まれた急斜面だった。枯木の丈が高くなり、時折振り返ると、鞘越しに大涌谷の白い煙を、同じ高みで見る迄になった。東北東からの尾根が合流し、西南西に進路を変えて、最後の登りを続けると、程無く平坦になって、台ヶ岳の頂上部に立った。

冬の雑木が林立する、其の向こうに富士山が浮かんでいる。外輪山から見る、顕著なピークである台ヶ岳は、樹林に囲まれて、判然とした眺望は得られない。明神ヶ岳も、鞘越しに確認できる程度であった。草木の繁茂する季節には、到底登ることは出来ないだろうと推察できる山である。しかし、冬枯れの今、台ヶ岳は巨木の林相が美しい山でもある。

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三角点は、何故か西北に下った処に在るが、興味ありますかと、MD氏が云った。私が答えに窮していると、興味無いよねと、独り言のように呟いた。笹薮を掻き分けて、三角点を確認する気力は無かった。KR氏の感想も、無論云う迄も無いようであった。其れで、三人で記念写真を撮って、下山することにした。ヒメシャラ広場に戻り、取り付き点迄の踏跡を辿っていくと、出発時には気付かなかった、褪せたピンク色のリボンが、木立の枝に括られているのを発見した。其れは、台ヶ岳の秘境ぶりが実感せられる、象徴的な光景のようにも思えるのだった。

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追記

バスで早雲山駅に戻り、帰路を兼ねて、地形図に道了別院の記載の在る地点を踏査。早雲台と石柱に刻印の在る境内からの眺望は良かった。強羅温泉の坂をケーブルカーに併行して下る。途中で尋常ではない人だかりに驚く。警備員に尋ねると、世界救世教の信者たちとのことだった。

強羅駅で別行動となり、単独で宮城野橋、木賀温泉を経由して、国道を宮ノ下迄を踏査する。堂ヶ島渓谷の未踏査部分を調べに行ったふたりと合流し、帰路に就いた。前述の通り、やってくる路線バスは箱根登山バスばかりで、伊豆箱根バスに乗るまで、三十分くらい待たされた。バス会社共通のフリー切符に改善してほしい処だが、所謂「箱根山戦争」の余韻が残っている数少ない案件でもあるというから、其れも面白いと云えば面白い。

小田原で酒宴。当ても無く店を探して入った居酒屋が存外に居心地よく、四時間くらい長居をしてしまった。

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