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初夏の高尾山北尾根を辿る

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2013/6/2

高尾駅(12:00)---日影---高尾山北尾根---高尾山---金比羅台---淺川---高尾駅(16:00)

朝、いつものように起きて雑事を済ませたら、山に行きたくなった。何処へと謂う積もりもなく、出発するにしても遅いから、考えも無く高尾山口行きの電車に乗った。其の車中で、高尾山北尾根を登ってみようと、以前下った時から考えていたことを思い出したので、高尾駅で下車して北口に出た。しかし、小仏行きのバスは二十分後迄無い。私は此のバスターミナルの居心地がよくないと思っていて、二十分が苦痛なのである。私はいつものように歩き出した。

小仏川の遊歩道を歩いていると、気持ちが悠然としてきた。樹林の中の疎らな陽射しが心地よい。蛇滝口から止むを得ず車道を歩くが、日影から林道に入ると、清々しい沢の気配に包まれた。最早下山の途に就いている人と擦れ違うが、トレイル・ランナーは縦横無人な方向から現われる。昼下がりからでも登れる高尾山の気楽さが嬉しい。

火災で焼け落ちたウッディハウス跡の箇所から、いろはの森コースが分岐するが、其れを横目で見ながらもう少し直進すると、また分岐点が現われる。いろはの森コースに合流する林道に左折して歩いて行くと、尾根が突き出ている処があり、林道は素直に其れを迂回すべく、左に回りこみながら右にカーブを描いている。高尾山北尾根の取り付きは、其の突端から延びて居る。林野庁の小さな看板が立っていて、其処から作業道が尾根を直登している。

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高尾山北尾根が、若葉の季節を越えて夏になったら、藪が繁茂して登るのに苦慮するような道なのかを確かめたかった。事実は全く杞憂であって、道筋は至極明瞭で、急登を楽しめるならば、人影が全く無い儘、山頂に向かうことが出来る。標高490mで尾根が合流するまで、ひたすら登り続ける。500mを確認して、緩やかな斜面に立ち止まり、振り返ると樹間から北高尾山稜を覗き、中央道の喧騒の名残りを微かに感じることができる。

ふたたび急登が実直に続き、標高550mで西へ延びる茫洋とした広い尾根が窺える。奥高尾の静かな谷間を見下ろすことができる迄登ってきた。休憩して煙草を燻らせていると、微かに人の気配を感じる。其れは漠然とした気配で、誰かが近づいてくるようなものではない。スタジアムの観衆の騒ぎが、遠くから聞こえるといったような感じだろうか。ざわめきが、私のテリトリーの遠く外側から聞こえてくる気配だった。

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徐々に東に進路がずれていくようになり、登りきったら唐突に樹木が道を塞ぐように重なりあっていた。其処に黄色い立ち入り禁止のテープが、バツ印を描くようにして張られていた。其れを難渋して越えると、其処はビジターセンターの裏手にある、高尾山頂の捲道だった。1号路に合流して、私はデパートのように混雑している高尾山頂に立った。

もうすることがない。私は携帯電話機を取り出した。さすがは世界の高尾山であって、私の微弱なPHS電話機も通じるようであった。其れで、登山詳細図即売所の小仏峠に居る筈であるC氏にメールを送った。早速返信がきた。彼等は既に下山途中の模様で、高尾駅で合流する約束をした。手持ち無沙汰な気分が、其れでずいぶん解消した。麦酒を我慢して、私はいそいそと下山の途に就いた。

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別記

2013/6/5(登山詳細図奥多摩東部篇補足踏査)

軍畑駅(9:50)---青梅沢井デジタルテレビ中継局---490.5mピーク---544mピーク---惣岳山---四辻---沢井駅---東光寺踏切---東光寺墓地---日枝神社---送電鉄塔---軍畑駅(15:40)

2013/6/23

大倉(8:50)---大倉尾根---塔ノ岳---新大日---烏尾山---烏尾尾根---新芽山荘---大倉(17:30)

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