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日向山、天神尾根界隈・登山詳細図踏査隊と歩く(後編)

Hinatayama


2012/7/18

3352


冷房の効いた車に戻ったら、謂いようのない脱力感が襲ってきた。七沢温泉を経由して、薬師林道に入り、車は先程私とMNさんが下りた、日向薬師の傍の駐車場に停車した。世話人氏が、此処からバス停のある坊中迄の距離を測ると謂うことで下車した。此れで日向薬師のバス停から日向山迄の踏査が完成すると謂う寸法である。

梅ノ木尾根の南面に張り出した尾根は、日向川に向かって落ちているが、其の、最も峻険に張り出しているのが天神尾根と呼ばれているようである。地形図を見ても、日向川が、天神尾根を迂回するように、石雲寺から浄発願寺に向かって、南に流れ、そして坊中へと注いでいる。『登山詳細図丹沢東部篇』の、本日の踏査は、其の天神尾根から梅ノ木尾根迄の測距と、梅ノ木尾根の、さらに大山へと続く稜線を測ると謂うことのようだ。

世話人氏を降ろした車は薬師林道を走り、ふたたび世話人氏を拾う為に坊中へ向かうが、途中で鬱蒼とした谷間を守屋益男氏が目ざとく発見し、車を停めた。当初の予定では、天神尾根の最も尖ってせり出した、浄発願寺手前の道路脇にある登り口から入る筈だった。しかし、其の林道の途中に在る登り口は、どうやら天神尾根へと続いているようであり、道標も確認できた。

灼熱の太陽が照りつける、日向薬師バス停の近くで車を停めて、程なく世話人氏が合流した。ふたたび林道途上の登山口に戻り、世話人氏が踏査の分担を決定した。道標は、左に天神尾根、右に梅ノ木尾根と、二通りのルートが梅ノ木尾根に向かっているようであった。此処から、天神尾根に合流する地点迄登り、天神尾根に入ったら其の儘下山する迄の短距離コースを、MNさんがひとりで踏査する。世話人氏と私は、梅ノ木尾根方面と記してある尾根を登り詰め、世話人氏は其の儘大山方面へ、私は梅ノ木尾根から分かれる天神尾根を、MNさんが下りていく地点迄を踏査し、下山する、と謂うことになった。

Tenjinbunki

車でそれぞれを拾うために残る守屋益男氏に見送られ、二手に別れて登り始めた。植林地帯を捲いて登る作業道のような処を、世話人氏が先頭になって歩く。蒸し暑さが酷く、汗に塗れながら、やがて道は直線的に登る様相に変わった。喋る余裕も無い儘、登り続けると、左の尾根から連なるトラバース道が合流してきた。道標が在り、左方向に天神尾根と記してあったが、登り道は、あくまでも真直ぐに続いている。地形を眺めても、此処から左に行って、天神尾根に合流し、梅ノ木尾根に登れるのか判然としない。

少し間を置いて、世話人氏がまた判断を下す。此の儘ふたりで、真直ぐ登り、梅ノ木尾根に行くが、私はふたたび此の分岐迄戻り、此の天神尾根方面に歩き、其の儘下山して行くと謂うことになった。引き続き直登を開始し、右手から尾根が近づいてきて、徐々に勾配が急になり、其れに呼応するかのように、整備された木段が敷き詰められていた。登り詰めたら、其処は今日の午前中にMNさんとふたりで通った、四辻からひと登りした処である、400mの小ピークだった。

先が長い世話人氏は、直ぐに梅ノ木尾根を大山方面に向かって出発した。其れを見送ってから、私は汗だくの体を冷やそうと、上衣を脱いで、暫く分岐の処で立ち尽くしていた。既に陽は傾いてきていて、ハイカーの姿も皆無である。煙草を燻らせて、心地よい風を浴びていたが、ふと我に返った。考えてみると、これから初めて、ロードメジャーを手に、ひとりで踏査するのだ。気を引き締めて行かなければならないところであった。

くだんの分岐点迄戻り、山腹を捲く道に入って行くと、程なく廃れた東屋が現われた。其処からは樹林が伐採された所為か、広々とした景色が見渡せる。痩せた尾根が前方に盛り上がって見える山に続いていた。蝉の声に包まれながら、渡り廊下のような其の尾根を行くと、ふたたび樹林の中を登りに掛かる。程なく、廃れた木のテーブルのあるピークに到達した。335mの小ピークである。

335

薬師林道と梅ノ木尾根を、双方向に記した伊勢原市の真新しい道標があった。そして、西側にやや古びた道標があり、其処には、日向林道と日向山荘、と記されてあった。335のピークに居る自分が、天神尾根で下山する、と謂う判断をするには、其の日向山荘に向かえばよいだけのことなのに、其の時の私は、どういうわけだか、薬師林道方面に足を向けてしまった。天神尾根の登山道とは、日向山荘から335を経由して、先程下ってきた分岐を経て、梅ノ木尾根に達するものであると、今になって理解できるのだが、335に居る私は、其の全体感を掴むことができなかった。真新しい道標に導かれるように、薬師林道方面へ、335のこんもりと盛り上がった山腹を、ループして下って行った。

結局、登り始めた地点に戻ってしまい、林道に出た私は、未だ状況を掴めない儘、守屋益男氏の携帯に電話したが、電波状況が圏外表示になっており、結局浄発願寺迄、車道を歩き、やっと電話が繋がった。迎えに来てくれた守屋氏の車に乗り、日向ふれあい学習センターの在る、駐車場に向かった。日向川のせせらぎが心地よい場所で、世話人氏は此処に帰還してくるのだ。MNさんが、笑顔で迎えてくれた。彼女の辿ったルートの様子を訊いて、335mから天神尾根へと下山する方向を勘違いした自分の判断を、私はやっと理解した。

山峡が翳りだす頃、世話人氏が帰ってきた。かなり難渋したらしく、疲れた表情だった。踏査の結果を話し合って、無事本日の踏査は終了した。記念写真を撮りましょうと云って、世話人氏がカメラをセルフタイマーにセットした。四人で並んで、カメラに向き合う。ぼんやりしている私に、MNさんが、ロードメジャーを差し出した。其れを握ってカメラを見る私は、如何にもひと仕事終えたような、気分になっていた。

付記

『東丹沢登山詳細図』に関する情報は、
『登山詳細図世話人の日記~全国に登山詳細図を広める活動をスタートさせた世話人の日記~』
を御参照ください。

別記

2012年8月の山歩きの記録。

2012/8/1

高尾駅(12:30)---駒木野---地蔵ピーク---富士見台---高ドッケ---狐塚峠---小下沢林道---蛇滝---高尾駅(16:30)

2012/8/19

沢井駅(13:00)---四辻---惣岳山---馬仏山---岩茸石山---常福院---軍畑駅(16:00)

2012/8/25

沢井駅(10:00)---かんざし美術館---362mピーク---送電新秩父線27号鉄塔---分岐---梅野木峠---三室山---梅郷北コース---284mピーク---梅の公園---日向和田駅(14:00)

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コメント

植林帯だと地形が読みにくいし、この暑さじゃ、地形図出すのもおっくうなくらいだもんね。

暑い中の踏査お疲れさまでした~。

日向山の辺りも、いろいろ道があるんだなあ。

うーん。地形図はしょっちゅう出してたんですが、
暑さと、ハードな行程(っていうか蛭ショック?)で、
かなり疲れていたとしか思えません。

日向山とか、こんなミッションでもなければなかなか行かないですよね。昭文社の地図見てもアバウトだし。
登山詳細図に期待してくださいね!

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